耕作放棄地での栽培1年目の夏は、コロナ自粛期間と重なり、
八ヶ岳の畑に赴けない時期が続いてしまった。
久々に訪れた畑は、枯れた夏草で覆われていた。
その光景は、春の開墾の労力を思うと何ともやりきれず、
二拠点生活で農業をすることの難しさを痛感した。
諦めきれずに、この畑の枯れた植物の海の中をかき分けるように、生き残った植物を目を凝らして探してみる。
胸まで伸びた夏草を踏み倒しながら
まるで戦場で生き残った者を探すみたいに
鎌を片手に必死に探した。
すると、雑草の根元に、
青々とした葉・太い茎・凛と背を伸ばす
ホワイトセージの姿を見つけた。
急いで、生い茂る雑草を刈り取り、
その姿を見た時、その神々しさに目を奪われた。
そこだけが、荒れた畑の背景をぼかし
澄んだ空気をまとっている。
ホワイトセージが、堂々と生きていた。
私は膝をついて、
葉の一枚一枚を愛でるように触れた。
かぐわしい香りが辺りに充満し
私の手も鼻も、そして全身に、ホワイトセージの香りが漂っていた。
この畑の恵みはこれだったのだ
蕎麦もコットンも育たなかったけれど、
ここの土が選んだのは、ホワイトセージだったんだ。
それを、まざまざと見せつけられているようで、
目の前の凜としたホワイトセージが、
この土地の神様からの贈り物のようにも思えたのだった。
剪定を兼ねて、伸びた新芽の部分だけをいただいた。
ドライハーブにすべく、束ねて、部屋に吊るしたその夜は、ホワイトセージの香りの中で眠った。
八ヶ岳の耕作放棄地から生み出した最初の商品は、
このホワイトセージのドライハーブにしよう。
「自然栽培で育てたホワイトセージの
柔らかい新芽を束ねたドライハーブ」
最高じゃないか。
柔らかくて優しいけれど
その不死身さ、たくましさは、私が証人だ。
ホワイトセージ販売開始
自然栽培のホワイトセージ、2022年10月7日 数量限定で販売開始いたします。
先着10名様にホワイトセージの茎と葉で作ったオリジナルのお香もプレゼントいたしますので
お見逃しなく!
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