心が激しく動揺するような現実に直面した時
私は編み物を手にする。
ひと編みひと編みを確かめる様に編んでいると
心が、今目の前の手元だけに集中し始め、
心が落ち着いてくるのを感じられるから。
飲み込まれぬよう、
今に碇を下ろすように、
深呼吸をするように、
頭の喧騒を流れるに任せながら、
心の動揺を感じながら、静かに編む。
過去、子どもの生死にさらされていた5ヶ月間も、
私はこうして編み物をしていた。
正気ではいられないような場面、
時間に委ねるしかない場面、
自分ではどうすることもできない場面では、
こうして、過ぎゆく時間を確かめるように
一刻一刻を刻むように編む。
私にとって編むことは、祈り。
恐れる心を鎮めるように
ひと編みひと編みに祈りを込める。