念願の『大山詣り』に行ってきました。
大山阿夫利神社で湧き水を汲んで、
いざ出発!と思って、登山道入り口に立つと、
髪の毛が枝に引っかかったように感じて
振り返ってみると
何もない、誰もいない。
娘のイタズラかと思って聞いてみたけど
知らないと言う。
そもそもそばにいなかった。
まるで、大きな熊手で髪をとかされたような
感覚だったので、急に怖くなって
きゃっきゃ怯えながら
登山道入り口の急な階段を
一気にかけ上がって、登山スタート。
怖がっていた私に
きっとママがいつも植物残さず全部使うから
山の神様がヨシヨシしてくれたんだよ
なんて憎らしいことを言ってくれる娘。
日頃の運動不足がたたって
お尻は痛いし、膝は笑いっぱなして
呼吸も動悸も早い。
そんな私を尻目に
子供はぴょんぴょん跳ねるみたいに
軽やかに進んでいく。
雲にどんどん近づいていくみたい
疲れるけど、心がキレイになっていくよ〜
と、目の前であからさまに禊がれていく
子供の素直さを羨みながら
2時間ほどで無事に1252mの山頂に到着。
快晴の眼下に広がる
相模湾と街が
陽の光に照らされて
キラキラ光っている光景に
異常にテンションが上がり
山頂で
「家内安全、商売繁盛」と
祈願するつもりが
気がつけば
「天下泰平」と叫んでいた。
2時間半かけて下山し、
再び神社の境内に入ろうと見上げれば
鳥居には大きく「天下泰平」の文字が
刻まれていた。
個人の願いを超えた祈りをする場所
なのかもしれないと、
先の自分の願いに合点がいくようだった。
再び髪の毛に何か引っ掛かるのを感じて
恐る恐る振り返ると
ちょうど頭上には、桜の樹があった。
今度は本当に木の枝だったことに安堵して
脚をプルプルさせながら家路についた。
御札を飾り、
娘と並んで汚れた靴を磨きながら
「次はどこの山へ登ろうか」と
もう、脚の痛みも疲れも忘れて、
次の山が楽しみになるのは、
登山に限った話ではないのでしょう。