綿花栽培を始めた理由
私が棉の栽培を始めた理由は、今から4年前のこと。
当時、趣味の編み物をしている最中に
毛糸が足りなくなって中断するのがものすごく嫌で、
有り余る毛糸で編み物をしたーい!
と思い、ふと毛糸のラベルを見れば
綿100%
と表示されていたのを見て棉栽培を思いつき、始めたのでした。
それから毎年、自家採種で種を繋いでいます。
その間、棉の収穫に背中を押されるように、
綿繰りや糸紡ぎ、草木染めや機織りといった手仕事を
(追われるように)覚えていって、今に至ります。
棉栽培も綿仕事も初心者な上、
栽培はかなりほったらかしな私でも
毎年十分、綿の収穫はできているので、
同じように栽培に自信がなという方でもできる
棉栽培の(手抜き)方法をご紹介します。
綿と棉の違い
「綿」はそこから取れた繊維としての原料のことをいいます。
今では、区別していない地域も多いですが、
植物の「棉」の実が弾けて種を取った
あのフワフワなものを「綿」と呼ぶのに倣って
ここでも、使い分けをして説明したいと思います。
和棉の育て方
①蒔き時
4月の終わりから6月上旬くらいまでまきどきです。
5月のGWがおすすめ。
ちなみに、5/10はコットンの日です。
②種の準備
種のまわりには、わた毛がついているので水を弾きます。
そのため、種を蒔く1〜3日前に種を水につけて、
種に水を吸わせる方法が一般的です。
この作業、省略しても発芽しました♡
③種まき
プランターでも地植えでもOK
日当たりが良くて水捌けのよい場所がおすすめです。
3〜5粒程度を、60センチ間隔で植えます。
発芽するまでは水をたっぷりあげるのがいいと言われていますが、
地植えの場合は、自然の天気に任せても大丈夫です。
ただし、移植は嫌うので、根が出たら植え替えは避けた方が○
④発芽
約1週間程度で芽が出ます。
水やりはこまめにと言われていますが、案外放置でも大丈夫。
雑草に弱いので、芽の周りの草は取り除くとよいです。
⑤間引き
背丈が20センチくらいになったら
一番よく育っている苗を残して他の苗を抜く。
抜く時に、残す根が一緒についてきてしまうことが多いので
指やハサミでカットしてもよいですよ。
勿体無いからと思って、間引きをしないとあとで込み入って大きく育たないので、ここは心を鬼にして!
⑥敵心
背丈が60〜80センチ位になったら
先の芽をハサミなどで摘んで、それ以上背丈が伸びないようにする。
私はいつもこれをしないので(忘れてしまうため)2メートルくらいまで成長する子もいます。それはそれで楽しいですよ。
⑦支柱を立てる
台風や強い雨風で木が倒れやすくなるので
支柱を立てて、麻紐などで棉の茎を優しく結ぶ。
茎は太くなるのであまり強く結ばない方が○
根を傷つけないように、小さいうちから支柱を立てておくといいですよ。
⑧開花
発芽から60日〜80日で花が咲きます。
花は、咲き始めは薄い黄色で、咲き終わりがピンク色に変わります。
花が枯れて落ちたあと、付け根が膨らんで朔(さく)と呼ばれる実ができます。
これがコットンボールです。
⑨収穫
朔が弾けて開くことを開絮(かいじょ)といいます。
「コットンボールが弾ける」なんて表現します。
よく広がって乾いているものから収穫します。
秋から冬にかけて、かなり長い期間収穫を楽しめますよ。
この中に、種も入っています。
私は、この収穫の際にできるだけ、綿に葉や茎などが付かないよう、気をつけて収穫しています。
このあとの手仕事をスムーズに、そして、きれいな糸にするためのひと手間です。
⑩後片付け
収穫が終わって葉も茎もすっかり枯れて役目を終えた棉。
感謝と労いの気持ちを込めて、私はコンポストに埋葬して
土に還し、翌年の豊かな土へとその亡骸をつなぎます。
人間が収穫する部分なんて、植物の全体から見たらほんのわずかなもの。
使わない部分を「ゴミ」と呼び、捨てるのは、
あまりにも傲慢な気がするのです。
土へ還すことは、弔いでもありますし、
同時に、ありがたい恵を、余すことなく使い切ることでもあります。
豊かさの循環をできるだけ邪魔しないようにするだけで
人の仕事は、案外楽になるものです。
コンポストで土作り、小さなスペースでも始めてみることをおすすめします。
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